公益財団法人塩事業センター
赤いキャップでお馴染みの「食卓塩」から、減塩タイプの新商品がリリースされる。「食卓塩」は1952年の発売以来、実に60年以上に渡るロングセラー商品であり、多くの人に愛され、親しまれ、使われてきた商品。その姉妹品のデザインには何が求められるのか?
赤いキャップでお馴染みの「食卓塩」から、減塩タイプの新商品がリリースされる。「食卓塩」は1952年の発売以来、実に60年以上に渡るロングセラー商品であり、多くの人に愛され、親しまれ、使われてきた商品。その姉妹品のデザインには何が求められるのか?
赤いキャップの「食卓塩」は、知らない人はいない定番商品でありロングセラー商品でもある。販売開始から60年以上。その間、商品そのものからデザインに到るまで大きな変化はない。
それほどまでに愛され続けた「食卓塩」が時代の変化に合わせ、減塩タイプをリリースすることとなった。
開発にあたっては、それまで市場に出ていた減塩しおのウィークポイントであった「独特の苦味」に着目し、その一因となるカリウムを抑え、グルコン酸の配合によって新しい減塩しおを確立。
「食卓塩」の特徴であるサラサラとした使いやすさも継承し、時代の要請に合わせた変化と、変わらない味わい・使用感を両立させた。
そうして生まれた自信作「食卓塩 減塩タイプ」。そのインパクトは大きく、当然、パッケージデザインにかかる期待も大きかった。
「食卓塩」が愛され続けている理由は、商品そのものの質はもちろん、そのデザインにもある。
発売から今まで定番として選ばれ続けながらも、ほとんど変わっていないデザイン。つまり、耐久年数60年以上のデザイン。その姉妹品のパッケージとなれば、「食卓塩」のデザインマインドを継承するデザインこそが相応しい。
では、「食卓塩」のロングライフデザインの本質とは?
デザインの解剖から分かったのは、時代とともに広告媒体化するパッケージデザインの潮流に流されない、宣伝要素が極端に少ない、潔いデザインであるということ。
そのパッケージは、宣伝文句にあふれた競合商品が並ぶ店頭では逆説的に目立ち、家庭の食卓にはしっくりと馴染む。2つの両立こそが「食卓塩」のデザインの本質であった。
「食卓塩 減塩タイプ」のデザインは、この本質を大切に、数多くの検証を繰り返して生まれた。
「食卓塩 減塩タイプ」のデザインは、結果的に「食卓塩」と大きくは変えていない。
それは「食卓塩」の姉妹品である減塩タイプだからこそ、あえて「変えないデザイン」がベストだという検証の結果。
また、商品のリリースにあたっても過度な宣伝をせずに、機能性を伝える最小限のプロモーションのみを行なっている。
ある日突然、店頭で食卓塩の緑バージョンを見つけて、減塩タイプの存在を知る。
「いつの間に発売したの?」「前からあったような気もするけど、、、」そんな控えめなコミュニケーションこそが「食卓塩」シリーズらしい。
その結果、SNSでは「緑のキャップの食卓塩が出てた!」「使ってみた!」という伝播がなされ、長年愛されている商品シリーズだからこそのコミュニケーションが生まれている。